ターボのオーバーホール 4G63

W社様よりご依頼のランサーEVO5用4G63向け純正ターボのオーバーホールです。今回はOHついでにコンプレッサーホイールとタービンホイールを純正以外のハイフロー品に交換いたします。コンプレッサーホイールとタービンホイールにもいろいろなサイズがございますのでお客様のご要望を丁寧にお聞きして、最適なターボに仕上げて気持ち良く、末永くEVO5を楽しんで頂きたいですね。

 

Before

ランサーEVO5は20年以上も前のクルマですからターボもそれなりにくたびれておりますが、両翼ともに傷みは少なく、ハウジングの歪やスイングバルブのねじれ、シート面の不良などもなく程度は良い方です。アクチュエーターの作動圧は720kPaくらいでした。この当時はコンプレッサーハウジングのスクロール(A/R)も小さく、また吸気側サクションパイプ径も細いので純正ターボをベースにパワーアップするにはEVO9のコンプレッサーハウジングをお勧めしています。純正のタービンハウジングはノズル面積をEVO4の 9 cm2からEVO5 は10.5 cm2にアップさせ高出力に対応できるようになりました。

After

吸気側のコンプレッサーホイールはTD06-20Gに変更しました。もちろんTD06-20Gに合わせてコンプレッサーハウジングの追加工が必要です。コンプレッサーハウジングは純正品をそのまま使いましたので、吸気側サクションパイプの肉厚がかなり薄くなりますが、車両側の配管はそのまま使用可能です。

排気側のタービンホイールはTD05Hサイズのままで翼枚数を9枚のハイフロータイプに変更しました。ただしホイール径05Hのままですのでターボレスポンスの悪化は極力抑えつつ高回転域での排圧低減の効果を発揮するタービンホイールです。アクチュエーターはターンバックルを締め込んで設定圧を860kPaに調整しました。