米国で2016年にインフィニティ・Q60で初めて搭載され、日本でも2019年からV37スカイラインに搭載されたVR30DDTT についての記事が新型フェアレディZの発売に合わせて改めて紹介されていましたので、ここでそのポテンシャルを探ってみたいと思います。
車両を注文しても納車予定が立っていない方々も多いと伺っていますが、納車までの間、ターボのパワーアップを妄想してはいかがでしょうか?
まずは具体的な翼サイズは示されていないため弊社での実測値を記載します。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
VR30DDTT用のターボはGarrett製でボールベアリングは採用しておらず、一体型ジャーナルベアリングを採用しています。
また左右バンクで回転方向が異なるシンメトリーターボを採用しています。
実は余り知られていませんがNC1型NSXもシンメトリーターボを採用しています。シンメトリーターボは理想的なターボレイアウトを可能としますが、ハイフロー加工する場合などにおいては逆回転ターボが災いして選択肢が限られたり、コスト高になるなど加工をしたい場合は好ましくありません。
Garrett製ターボと言う事で近似サイズのGBC14-200を比較対象にしてみましょう。Garrettの最新フルブレードは年々翼枚数が減りつつも効率と風量を高次元でバランスさせていますが、その中でもメジャーな8枚翼は私が知る限りこのVR30DDTT用とGBC14だけです。恐らく両者は設計コンセプトが同じであると考えられます。(※2023年3月末時点では GTX2867R GEN2 が8枚翼でしたので、もしかすると GTX2860R GEN2 や G25 550 などサイズがより小さいサイズのコンプレッサーホイールは8枚翼化が進んでいる可能性があります。)
翼サイズ的にも非常に似通っておりますが、VR30DDTTの方がより高出力向けに設定されていることがタービンホイールの翼枚数の差から読み取れます。
ノーマル状態のVR30DDTTのカタログスペックは405馬力で、GBC14が1機当り200馬力と謳っている数値にほぼ合致しています。
発表当時から話題になりましたターボ回転センサーによる制御を行っており、ターボのマージンを削って限界値付近まで使用していますのでこれ以上多くの出力アップは期待できませんが、ブーストアップで20%程度のアップは見込めると思われます。それ以上のパワーアップにはハイフロー加工で翼サイズを拡大させるかターボ自体を別のターボに交換するしかありません。ターボ回転センサー付きですから8枚翼から枚数を変えることは難しく、その点でも選択肢が限られます。弊社ではハイフロー加工の検討が終わり、アップグレードターボも準備中です。ご興味のある方は是非お問い合わせ願います。
以下はモーターファンテックの記事です。
VR30DDTTのターボチューンをこれから盛り上げていきましょう。
https://motor-fan.jp/tech/article/23956/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=email&utm_campaign=220912
コメントをお書きください